お客様事例manoma Conference hall & Restaurant

シェフの所作がきれいに見える、天空のオープンキッチン

日本の伝統的な素材と最先端の設備が調和した、FUSOU。2つのアイランドで構成されたオープンキッチンで、右の島がホットエリア、左の島がコールド&サービスエリアです

東京・渋谷に開業した起業支援施設「manoma(まのま)Conference hall & Restaurant」は、渋谷圏で活動するスタートアップなどの交流を促進する場としての機能を備えた複合施設です。グリルダイニングとミュージックバーで構成された「STEREO」と、ハレの日の食事に対応するフレンチベースのファインダイニング「FUSOU」の2店舗で、幅広い食のニーズに対応しています。厨房には、随所にシェフのこだわりが反映されています。

多様な食のニーズに対応する、独創的な複合空間

再開発が進む東京・渋谷の新しい玄関口として誕生した複合施設「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」。そのエリアを構成する渋谷タワーの38階に、2024年3月、クリエイティブ産業に関わる企業や人、スタートアップの交流を促進する起業支援施設「manoma (まのま)Conference hall & Restaurant」が開業しました。

カンファレンスや展示会などのイベントにも対応可能な108席のグリルダイニング&ミュージックバー「STEREO」と、8席のカウンターと個室を備えたフレンチベースのファインダイニング「FUSOU」の複合施設です。運営主体は、食の領域で多様なサービスを展開する株式会社イートクリエーターと東急不動産株式会社とが2023年に設立した、株式会社日本食品総合研究所です。

イベントスペースとしても活用される、STEREO。グリルダイニング(写真左)とミュージックバー(写真右)に分かれています。フードやドリンクとともに高層階からのパノラマを楽しみながら、コミュニケーションを深める場となっています
イベントスペースとしても活用される、STEREO。グリルダイニング(写真上)とミュージックバー(写真下)に分かれています。フードやドリンクとともに高層階からのパノラマを楽しみながら、コミュニケーションを深める場となっています

大型スクリーンとオリジナルの音響設備を備えたSTEREOは、64席のグリルダイニングと54席のミュージックバーで構成されています。大人数のカンファレンスやパーティー、会食や日常の打ち合わせなど、ON/OFF両面におけるスタートアップの方々のコミュニケーションに対応したフードやドリンク類などを幅広く提供しています。フードメニューは無国籍料理のアラカルトが中心です。

STEREOのオープンキッチン。パーティー等の大量調理にも活躍するコンビオーブン「iCombi Pro」など、多くのfujimak製品をご活用いただいています

日本の美意識を料理と空間で表現する「FUSOU」

内田悟シェフ。「リストランテASO」、「中勢以内店(なかせいうちみせ)」、「BEES BAR by NARISAWA」を経て、イートクリエーターが経営する⻁ノ⾨ヒルズのアニバーサリーレストラン「unis」の開業時スーシェフに就任。STEREOとFUSOUの立ち上げに参画し、現在、FUSOUのシェフを務めておられます

一方、FUSOUは、特別なお客様への接待や、家族・親しい方との特別な食事シーンを想定した、ファインダイニングです。料理は内田悟シェフのスペシャリテである熟成肉のメニューをメインに据えた、11~13品のお任せコースが基本。全国の生産者から取り寄せた、四季折々の食材をふんだんに採り入れています。「FUSOUは、シェフがお客様をおもてなしする、シェフズテーブルです。リラックスしながら日本の美意識や感性を表現した食事を楽しんでいただきたいと思います」とFUSOUの内田悟シェフはおっしゃいます。店名は、かつて日本が「扶桑国」と呼ばれていたことに由来しているそうです。

FUSOUは、日本ならではの素材や建材を生かした、上質でぬくもりのある空間となっています。大谷(おおや)石を使用し、洞窟をイメージしたエントランスを抜けると、樹齢300年に及ぶモミの木の一枚板で作られた、7mのカウンター天板がゲストを迎えます。壁は熟練の職人が手掛けた漆喰(しっくい)仕上げです。

大谷石を使用したエントランス(写真左)と、モミの木の一枚板カウンター(写真右)。カウンターは、軟らかな木の風合いを生かしつつ、実用にも耐えられるよう、オイル塗装が施されています
大谷石を使用したエントランス(写真上)と、モミの木の一枚板カウンター(写真下)。カウンターは、軟らかな木の風合いを生かしつつ、実用にも耐えられるよう、オイル塗装が施されています

所作をきれいに見せるためのカスタマイズを実施

FUSOUは、オープンキッチンの随所に、内田シェフのこだわりが反映されています。まず、厨房機器類は、店内のインテリアと調和するよう、天然木の突板(つきいた=木の表面をスライスしたもの)や木目調の装飾フィルムを貼り、ナチュラルな雰囲気でまとめられています。耐熱性などが求められる調理台の天板は、自然の石に似た風合いのある、セラミックストーンの「DEKTON(デクトン)」を採用しています。

突板や木目調の装飾フィルムを施した調理台(写真左)。化粧耐熱性や耐油性に優れたセラミックストーンのDEKTONを採用した調理台天板(写真右)。「ナチュラルな内装にマッチしているだけでなく、ステンレス天板に比べて、料理を盛り付ける作家物や窯元の器などのダメージを低減できるのが魅力です」(内田シェフ)
突板や木目調の装飾フィルムを施した調理台(写真上)。化粧耐熱性や耐油性に優れたセラミックストーンのDEKTONを採用した調理台天板(写真下)。「ナチュラルな内装にマッチしているだけでなく、ステンレス天板に比べて、料理を盛り付ける作家物や窯元の器などのダメージを低減できるのが魅力です」(内田シェフ)

また、「FUSOUは、日本の割烹のように、カウンターの前に立ったシェフがお客様の前で調理をするスタイルを採用しています。「調理の様子をすべて間近で見ていただき、作り手の熱量を“距離感ゼロ”の環境で、お客様にそのままお伝えしたいのです」と内田シェフ。そのために、熱源となるような加熱機器もあえてお客様にできるだけ近い位置に配置するとともに、調理台の天板は標準よりも高く設定したそうです。一般的な調理台の高さは80~85cmですが、FUSOUは100cmです。「シェフが凜とした姿で立ち、きれいな所作で調理や盛り付けをしている様子を見ていただくことを意識した結果です。調理台が高いと料理人の顔が必要以上に下を向くことがありませんし、背中が丸まらず、きれいな姿勢を保てます」(内田シェフ)。

FUSOUのカウンターとオープンキッチン。「新しい店でやってみたいと思ったことを、長年、書きためてきました。その多くをこの店舗の厨房作りに反映させました」(内田シェフ)

「fujimakは私たちに寄り添った提案をしてくれた」

fujimakは、FUSOUとSTEREOで構成されるmanomaの厨房づくりをお手伝いさせていただきました。

「所作がきれいに見えるためには、機器に十分な性能が備わっていることはもちろんですが、動きに無駄のない効率性が大事です。このため、アイランドの引き出しの幅をcm単位で指定するなど、fujimakさんには細かな要望をたくさん出し、いくつものカスタマイズをお願いしました。担当者は、その全てに、スムーズに早く応えてくれただけでなく、適宜、『その目的のためであれば、こうした方がよいのではないですか』と、私たちに寄り添った提案をしてくれました。とても感謝しています」(内田シェフ)

内田悟シェフ。「リピーターが多いことが励みになっています。今後は他業種とのコラボレーション企画なども行ってみたいです」とおっしゃいます

関連製品・サービス

冷蔵庫・冷凍庫・冷凍冷蔵庫

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コンビオーブン iCombi Pro

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施設情報

施設名 manoma Conference hall & Restaurant
経営 株式会社日本食品総合研究所
所在地 東京都渋谷区桜丘町1-1 Shibuya Sakura Stage SHIBUYAタワー 38階
開業 2024年3月
Webサイト https://www.shibuya-sakura-stage.com/facility/manoma/
STEREO (Instagram) https://www.instagram.com/stereo_sakurastage/
FUSOU (Instagram) https://www.instagram.com/fusou_sakuragaoka/