お客様事例HÔTEL de L’ALPAGE (ホテル ドゥ ラルパージュ)

豊かな食の時間、上質な日常を提供する、フランス式オーベルジュ

オープンキッチンの厨房

2024年3月、長野・蓼科高原に開業した「HÔTEL de L’ALPAGE (ホテル ドゥ ラルパージュ)」は、フランスの邸宅で過ごすような上質な日常をゲストに提供する、12室のオーベルジュです。食材は地元・長野とフランスの食材にこだわり、フランス式のガストロノミーを提供します。「毎年、大切な人を連れて帰りたくなる場所」としての、新たな歴史が始まりました。

本物にこだわったフランス式のオーベルジュ

加藤安都子・取締役総支配人。ホスピタリティビジネスのプロフェッショナルとして、イタリアのホテルやオーベルジュなどで多くのゲストをもてなして来られました

リゾート地として人気の高い、長野・蓼科高原。このエリアに、2024年3月19日、12室のオーベルジュ「HÔTEL de L’ALPAGE (ホテル ドゥ ラルパージュ)」がグランドオープンしました。旧東伏見宮家の別荘地で、スイス・チロルの雰囲気を再現して多くのファンを魅了していた「ホテルハイジ」の跡地で、今回新しくオープンしたホテルはフランスの邸宅で過ごしているかのような安らぎを提供します。

加藤安都子総支配人によると、「ドゥ ラルパージュ」という名前そのものが、このオーベルジュのコンセプトを表しているのだそうです。「夏になるとアルプスの高原に、軟らかくて香りのいい牧草が育ちます。爽やかな風が吹きぬけるその牧草地のことをラルパージュと言います。ヨーロッパの牧畜家が、羊を毎年、夏になると連れて帰ってきます。澄んだ空気の中で季節の移り変わりを楽しむことができる蓼科をそのラルパージュになぞらえ、毎年、大切な人を連れて帰りたくなる場所としてゲストをお迎えしたい、というのが私どものコンセプトです」(加藤総支配人)。

施設の建築はヨーロッパ式。調度品もほぼ全てがヨーロッパから取り寄せたものだそうです。「真似としてのフランス“風”ではなく、ソフト、ハードともにフランス“式”の空間を妥協することなく作り上げています。旅慣れた、あるいはヨーロッパでの滞在を楽しむ機会が多いお客様に、『フランスのオーベルジュに行ったときに、こういうもてなしを受けたな』といった感情を呼び起こすような、居心地の良い、豊かな時間を送ることのできる場所でありたいと考えています」(加藤総支配人)。

HÔTEL de L’ALPAGEは、フランス料理を主体とするヨーロッパ式のガストロノミーを楽しむ時間を、滞在中のハイライトとして捉えておられます。かつて、神戸「アラン・シャペル」で小久江次郎シェフに師事した丸岡修二・取締役グランシェフが、自ら生産者を訪ね歩いて探した長野県産の食材と、フランスの食材にこだわった、季節感あふれる「毎日でも食べられるフランス料理」(丸岡グランシェフ)を提供します。ホールを預かるソムリエ兼メートル・ド・テルも、神戸のアラン・シャペルご出身だそうです。

「午後4時頃に、パートナーと食前酒を飲みながら食事の相談をし、ディナーが始まると、調理の合間にテーブルに来たシェフやメートルと食材や調理法について会話を楽しむ。食後のコニャックやシガーをたしなんでいるうちに、『あら、もう4時間も経ってしまったの?』などと感じられるような、豊かな時間を過ごしていただくのが理想です。『あのオーベルジュに行くために車を走らせたい』と思っていただけるような豊かな時間をお届けしたいですね」(加藤総支配人)

そのような世界を実現するための厨房として、HÔTEL de L’ALPAGEは、オープンキッチンを選択なさいました。「お客様とのコミュニケーションを図る上で、オープンキッチンは、お客様に私たちが近づいていくためにも欠かせません。シェフがダイニングに移動しやすいという動線上の利点があるのはもちろんですが、シェフが動いている空気や食材が仕上がっていく音をお客様に楽しんでいただくことで、心理的な距離も近くなります」(加藤総支配人)。

ダイニングスペースの客席シートからキッチンの様子を見ることができます(写真左)。エントランス横に設けたワインセラーは特注品です(写真右)
ダイニングスペースの客席シートからキッチンの様子を見ることができます(写真上)。エントランス横に設けたワインセラーは特注品です(写真下)

fujimakは、「“顔の見える、厨房の作り手”です」

HÔTEL de L’ALPAGEには、厨房機器や特注のワインセラーなど、fujimakの製品を多数ご採用いただきました。オープンキッチンは、作業性の良さを追求したそうです。「一皿の料理を効率的に作るために、機器の間を移動する歩数を計算し、『この歩数でやらなければいけないから』と、fujimakの担当者に機器の配置などについて細かく要望を出し、形にしてもらいました」(丸岡グランシェフ)。

機器の中で、丸岡グランシェフが高く評価してくださっているのが、バリオデュアルパンです。「コンビオーブンで焼いた骨を取り出してバリオに入れ、スープを沸かし、煮出す。あるいは、ストーブで色付けした煮込み用の牛ホホ肉を、バリオでアルコールを飛ばした赤ワインで煮込むなど、バリオの活用を前提として加熱調理を組み立てています。お客様からのオーダーへの対応中に仕込みも行いたいので、ストーブに近い位置にある、2台のコンビオーブンの間にバリオを据えました。バリオは温度が安定していますので、真空調理で香りをつけてしっとりと加熱することもできますし、使い勝手が良いですね」(丸岡グランシェフ)。

加熱調理の動線の起点となる場所にバリオデュアルパンを設置しておられます。ストーブやコンロも近くにあります

fujimakの担当者についてのご評価も伺いました。丸岡グランシェフは、「かなり無理をお願いしましたが、担当者はその要望をすべて図面に落とし込み、限られた時間でベスト以上の仕事をしてくれました。私たちは顔の見える生産者の食材を使っています。作り手のことが分かると、料理に向き合う気持ちが変わります。厨房もまったく同じです。fujimakが気持ちの入った厨房を作ってくれましたので、厨房に入ると、お客様を迎える決意が高ぶっていくのを感じます」とお話しくださいました。

加藤総支配人は、厨房を作り上げていく際のエピソードを披露してくださいました。「私たちが休みの日に、施設に来て厨房を覗くと、fujimakの担当者が黙々と作業をしてくださっていました。誰も見ていないところでプロの仕事をしている姿に感心したものです。周囲からも『すごくいい厨房を作ったね』と言っていただけます。ホスピタリティビジネスはハードとソフトの両面が大切です。私たちがおもてなしというソフトでお客様を感動させる上で欠かすことのできない、すばらしい食のハードを作り上げてくださったと思っています」(加藤総支配人)。

ダイニング。「スタッフの間に、『お客様のためになるのなら、やりましょう』という空気があります。持ち場を越えて互いにサポートし合いながら、お客様をおもてなしします」(加藤総支配人)
(おことわり)本記事は2023年12月に取材しました。所属や役職名は取材当時のものです。

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施設情報

施設名 HÔTEL de L’ALPAGE (ホテル ドゥ ラルパージュ)
経営 株式会社ホテルハイジ
所在地 長野県茅野市北山4035-1820
開業 2024年3月
Webサイト https://hotelalpage.com/